刺繍の半衿で祝う。

 本日も唐津くんち装束仕立てのご相談で賑わう中、2人のお姫様がご家族とともに御来店。
 お一人目は、この秋に大人への階段を上りはじめる十三詣りを予定されているお嬢ちゃん。7歳の七五三詣りに総絞りの四ツ身を着てくれたのが記憶に新しすぎて、あれからもう6年も経ったのかと思うと感慨深いのであります。今回は御自宅の箪笥に眠っていた振袖と長襦袢、帯に合わせて帯〆帯揚など小物を変えて。実はこのきもの一式、おばあちゃんが若かりし頃にお召しになっていたもの。40数年ぶりに晴れ舞台に立つのですが、驚いたことに目立ったシミや汚れがなくって。重ね衿草履、そして椿に菊に桜などがぼってり刺繍の半衿
 もうお一人は、来春に成人式を控えるお嬢様。お母さんが用意されていた真っ赤な振袖に、おばあちゃんコレクションの豪華な帯3本の中から選り取り。そして小物合わせ。小さな頃から近所で遊んでいた彼女、人前ではあまり自分を出さない大人しい女の子でしたが、すっかり大人の女性になって鏡越しに見る帯〆帯揚などの色の好みを言ってくれるようになっていました。黒地にこれまたぼってり刺繍の半衿、空色の重ね衿、白い丸ぐけの帯〆、鮮やかな青の鬼しぼ縮緬にぼってりぼってり刺繍の帯揚はすべて彼女好み。足元を彩る草履だけ、宿題(楽しみ)を残してしまいました。
 いずれも健やかなる成長を祈って、半衿を縫いつけるのです。

◉毎月7日と8日はお手入れ日和

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