クリーニングや保管方法

クリーニングに出す前にやるべきこと。


◉風を通して汗を飛ばす。

 水分こそ正絹の天敵。クリーニングに出す前に、まずはご自宅の陽の当たらない場所に掛けて風を通しましょう!

《風通しのポイント》
・陽の当たらない場所を選ぶ《色やけ防止》
・できるだけまっすぐな棒に掛ける《型崩れ防止》
・扇風機などで風を当てる《縮み防止・消臭》

◉汚したらティッシュや乾いた布で抑えるのみ!

 もしも汚した時は、ティッシュや乾いた布で抑えるだけに留めておいてください。濡れた布で拭いたり水をかけたりすると、汚れを擦り込んで落とせなくなったり、生地が劣化するので厳禁。


今年の汚れは今年のうちに、一刻も早く!

クリーニングは大きく分けて3種類

 汚れを大きく分けると、水性の汚れ、油性の汚れ、それ以外の3種類。つまりクリーニングも同様に3つの方法があります。
 お客様からよく承る順番に解説いたします。

《クリーニングの種類》
①ドライクリーニング…石油系の溶剤を使って全体を洗う
②シミ抜き…溶剤や薬剤を使い分けてシミを落とす
③洗い張り…一度解いて水を使って洗う


①ドライクリーニング


◉白い生地の黄ばみは、曳子として年を重ねた証と重み。

 唐津くんちの装束で、もっとも気をつけたいのが水と脂や様々な成分にまみれた汗汚れ。ビールや酒、食べこぼし、タバコの臭いも。時間がってば経つほど固着するのがシミや汚れ。放っておくと臭いも定着し、変色は避けられません。唐津くんち終了後にはすぐにドライクリーニングに出しましょう。
 ドライクリーニングとは、肉襦袢や長法被を仕立て上がったまま石油系の溶剤(ドライ液)を使って洗う作業のことを言います。水を使うと生地が縮んでしまいますが、ドライクリーニングではその心配がありません。ただし使われている染料や生地の劣化によりお断りする場合があります。

◉きもの専門の職人が丁寧に行う手洗いとプレス。

 きもの専門の職人による手洗いとプレスを行う『特選ドライクリーニング』のみ承っております。特に高級でデリケートな正絹羽二重の生地には、少し値段が張りますがおすすめのお手入れ方法です。洗いの技術も然ることながら、大量の蒸気と両手を使った職人プレス!の手間と技による仕上がりには一般的なドライクリーニングとは大きな差が出ます。
 汗や汚れ、変色を重ねた分だけ曳子としての重みを感じますが、装束に愛着を持って大切にお召しになりたい方には手洗いが一おすすめ。
《特選ドライクリーニング》
 肉襦袢 …3,960円
 長法被 …4,950円
 詳しくはこちら ☞ 特選ドライクリーニング


②シミ抜き


 ドライクリーニング(油洗い)や洗い張り(水洗い)では落ちないシミを、職人がシミの種類を確かめながら1箇所ずつそれぞれに合った溶剤や薬剤を用いて落としていきます。
 詳しくはこちら ☞ しみ抜き

◉クリーニングで落ちないシミを、まずは見積もりから。

 お預かりした肉襦袢や長法被のシミは、職人がその目で確かめて代金(加工料と技術料)を決めます。まずは見積もりを提案し、ご了解を頂いたのちに作業に取り掛かります。

例)シミ抜き
ソースのシミ(写真下)…1,760円

肉襦袢や長法被のシミ抜き
肉襦袢についたソースのシミ

③洗い張り


 仕立て上がっている肉襦袢や長法被を解いて、一度反物の状態に縫い合わせてから水で洗います。ドライクリーニング(油洗い)では落とせない水性の汚れが落ち、生地がすっきり爽やかに蘇ります。当然のことながら、お預かりしてから仕立て上がるまで約1ヶ月と料金を要するのでご注意下さい。
 詳しくはこちら ☞ 洗い張り

◉お父さん肉襦袢を、息子さん用に仕立て直す

 唐津くんちの装束は、親から子へ受け継ぐこともまた素敵な物語。生地がしっかりしていさえすれば、お父さんやおじいちゃんが着ていた肉襦袢をお子さんやお孫さん用に仕立て直すことができます。ここでは洗い張りをして仕立て直した例をご紹介します。

例)お父さんの肉襦袢を息子さん用に仕立て直し
解き洗い張り…7,700円
木綿の裏地…2,200円
ネーム刺繍(4文字)…1,100円
仕立て …11,000円
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合 計 …22,000円

洗い張りをして反物の状態になった肉襦袢。

肉襦袢や長法被の保管方法について


◉シワとヤケに用心して収納する

 シワにならないようにきものを包む畳紙のような厚手の紙に包み、色やけの原因となる紫外線から守るために箪笥の引き出しや光の入らないカラーボックスなどに収納しましょう。ハンガーなどに掛けっぱなしは、型崩れや色やけの原因になるので要注意。

◉大切なのは「新鮮な空気を保つこと」。

 大切な肉襦袢や長法被を箪笥の引き出しに入れっぱなし、クリーニング屋さんから仕上がってきたビニール袋に入れっぱなし、なんてことはありませんか?肉襦袢や長法被を保管する上で、最たる天敵はカビるんるん(カビ菌)。一度侵されると菌を完全に除去することはできません。
 そこで最も大切なのが「新鮮な空気を保つこと」です。天気の良い日は窓を開けて、雑菌だらけの室内の空気と紫外線で殺菌された新鮮な外の空気と入れ替えましょう。特に高温多湿な季節は、箪笥から出して風を通して(除菌して)あげることが重要です。特に白い生地はカビによる変色が目立ちますのでご用心を。


とにもかくにも、まずはご相談ください!


 11月1日までに納品できる数には限りがありますのでお早めにご相談ください。

☎︎ 0955722050 または お問い合わせフォーム



肉襦袢と長法被の仕立てについて


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肉襦袢と長法被の修繕について


肉襦袢と長法被のお手入れと保管方法について