栗と山桃で染めた綾織着尺。

栗と山桃で染めた綾織着尺『織の響』

 先日開催した『米沢の染めと織り』展が閉幕して早いもので1週間が経ちました。
 つい昨日のことのようですが、その2日目、まさに1週間前の日曜日に御来店頂いたお客様が写真の栗と山桃で染められた綾織着尺『織の響』をいたくお気に召したご様子で、「来週の日曜日まで考えさせて下さい」とお帰りになってからまさに1週間。職人気質な(と申しますか職人さんなんですけど)御主人様と一緒に御来店。「欲しいなら買えばいいじゃん。箪笥の肥やしにはならんだろうもん。けど買うなら職人さんも困られるだろうからニコニコ現金払いでやってあげないとね」とお支払いのことまでお世話して下さいました。「じゃあ、こちらをいただきます。来月初めにお支払いに来ますので、品物は代金引換で頂きます」と解決ズバッと。
 会期中に作者の諏訪剛一さんとたくさんお話しした中で「この反物を染めた栗は僕が山に入って拾って来た栗の毬[いが]から染料を抽出するんです」とおっしゃっていました。ご自身で拾われていることもさることながら、原料は木の皮でも実でも葉っぱでもなく毬なんですね。けどそんなお話を耳にしながら反物を拝見すると、山に入られる景色も目に浮かんできて一層素敵に見えてきちゃうんですね、これが。いや確かに素敵な色の反物なんです。そうしてもひとつビックリするのがこの反物を(仕立て教室に通われている)お客様がご自身の手で仕立て上げられること。より一層素敵に見えちゃうんですよね。
 しかしまぁ、栗はあなたと私で仲良く遊びながら拾っちゃうんですかね。な〜んちゃって。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください