この春に京都からやって来たなごや帯たち。
コロコロっと次から次へと転がされた数ある中でも、少し変わった織り方の帯地に手塚漫画で見たことがありそうな葉っぱが染められた一枚に僕も女将も同時に息を呑んで目を奪われて涎を垂らすまいとゴクリ。先日開催した『米沢の染めと織り』展には米沢生まれのものばかりを展示していましたが、お客様が好まれた「おおばひるぎ」「ごばいし」「あかね」で染められた茶とも紫とも申し上げ難い綾織のきものにピッタリコンコンじゃないかと思ってつい奥から出して来てしまいました。
実はこの帯、お手持ちのあのきものに合うんじゃないかとのっけから想像を膨らませていたのですが、まさか新たにお気に召した米沢生まれのきものに合わせて頂けるだなんて二重の喜び。ひと目惚れな上に結んで貰いたいと想像していた通りのお客様の元へと嫁いで行くことが決まって幸せの極みです。草木染めに魂を込める諏訪豪一さんの作品だからこそ価値はさらに鰻登り。
さて、このきものと帯でどこにお出掛けしましょうか、どんな美味しいものを食べに行きましょうか。楽しみは膨らむばっかりです。