七五三詣りと花火大会。

 数日前にお電話でご来店の約束をされていたお客様が、午前と午後にそれぞれ。
 「3歳の七五三詣りの時には私が選びます!」と生まれたての赤ちゃんの隣でおっしゃっていたのを昨日のことのように憶えています。「可愛らしい真っ赤なきものに、真っ赤に白い鹿の子柄の被布なんて着せて、履物は少し古いけど可愛らしいこっぽりが家にあるわ」とコーディネートまで想像を膨らませていらしたおばあちゃん。仲睦まじいおばあちゃんとおかあさん(お嫁さん)、お嬢ちゃんの親子三代でさっそくご覧頂くと、きものも被布も、いきなりおばあちゃんとお嬢ちゃんのお好みが一致!こちらから色々とお話しする間も無く決定。成長著しい女の子の肩と身揚げは、10月になってからを予定。秋の楽しみがまたひとつ。
 午後からは男前の浴衣選びにお母さんとご長男。僕がちょいと近所まで外出している間のご来店だったので遅れて参戦したところ、浴衣はすでに黒地に大きな蜻蛉に決定していて、残るは帯合わせ。黒と白の単色だったので、涼しげに青磁色の麻の角帯をおすすめしたところ、一度は首を横に振られましたがいつの間にか縦に。唐津で開催される九州花火大会は7月15日ですが、「池田屋さん、息子が彼女に振られる前に仕立て上げてくださいね」との辛口には、「蜻蛉は前にしか飛ばないことから勝虫とも言われ、戦国武将の間で重宝された柄なんですよ。きっと勝ち続けられます」と意味不明な返答をしてしまいました。仕立て上がったら下駄合わせと帯の結び方講習会。夏の楽しみもまたひとつ。
 七五三と花火大会にみる、ご家族の絆。

追伸
お手入れ日和につき、たくさんの丸洗いや洗い張りなどをお預かりしました。

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