馴染みのお客様が、と言っても数年振りのご来店。
社員一同「元気だったー!!!」と歓喜のお出迎え。まさに大歓迎。さて、大きな風呂敷包の中にはなんとも可愛らしい*中振袖。光沢のある桜色の中に寄せては返す青海波の地紋。裾にはめでたく朱の雲取りに絞りで亀甲柄。「3月予定している親族の結婚式で18歳になる孫娘に着せたいのよ」と見慣れた笑顔。しかし問題は、袖の長さが足りない長襦袢。どうしたものかと頭をひねった挙句に(二枚の生地を合わせて仕立てた)無双の袖を解いて表に継ぎ、裏に別の生地を継いで袖を長く仕立てることに。袖口と振りから覗く部分には長襦袢の絞り柄が見えるようにして。この中振袖に合わせて帯〆、帯揚、重衿を、別の方がお召しになる訪問着に合わせた小物などもお見立てくださいました。
これからも何かあったら池田屋、何もなくても池田屋と思って頂けるように精進いたします。
*中振袖 … 袖が中くらいの長さ(約2尺/78cm)の振袖。