プロレスの聖地「博多スターレーン」で開催中の本場結城紬展に行って来ました。
昨年も開催されていたのですが都合がつかずに断念、今年は時間を見つけて。数年前に結城紬の生まれ故郷である茨城県結城市に足を運んだことがあるのですが、今回の企画展では作品の展示販売だけではなく制作過程の実演なども行われるということで今一度お勉強と織元自慢の新作の数々を拝見に。
ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、一反の結城紬(約13m)を織るのにお蚕さんが糸を吐いてつくった繭玉が約2200粒必要です。その繭玉5〜6粒から一枚の真綿を約380枚つくります。その真綿約380枚から約37,000の糸を(熟練の職人さんで)約3ヶ月を要してつむぎます。それから絣をくくって、染めて、また約3ヶ月を要して織ります。すべて人の手作業です。ちなみに、先述の約2200粒の繭玉をつくるお蚕さんを育てるのに、桑の葉が約80kg必要だそうで、その桑の葉は1ヘクタールもの畑から採取します。
今一度整理すると、
桑畑1ヘクタール
桑の葉80kg
繭玉約2200粒
真綿約380枚
手つむぎ糸約37000m
結城紬1反物約13m
ということになります。
まるでマジシャンのように繭玉をつくる職人技のおばちゃんの様子は以下の動画をご覧ください。毎日繭玉と向き合うおばあちゃんの手は、シルクプロテインでツルッツル光っていました。気のせいか天使の輪も光り輝いていたように見えました。糸をつむぐのにつける唾も神聖なものに見えてしまいました。本場結城紬の生産高が年々減少していますが、この日本が世界に誇る数々の手仕事は、是が非でも後世に残したいものですね。
微力ながら、網代に織られた結城紬を一枚頂きました。