単衣と言えば塩澤。

単衣と言えば塩澤

 6月最終日の本日、今月に入ってお召しになった姿をしばしば見かけた藍色地に蚊絣の塩澤お手入れにやって来ました。
 塩澤は、緯糸に撚りの強い糸を用いて織った後に湯で揉むことで緯糸が縮んで独特な凹凸とシャリ感が生まれ、汗ばみ始めるけど透けるものは見た目にもまだ早い初夏に抜群のお召し心地を発揮します。つまり単衣でお召しになるために生まれた生地です。近年は温暖化によって6月=単衣という図式がくずれつつあるので眩い太陽の光を感じる様になる4月くらいから心地よくお召しになれるのではないでしょうか。
 そんな中、お客様をお迎えする時間になると背筋のピンと伸びた粋なきもの姿で弊社前を歩いてお店に向かわれる日本料理店の女将さんは、ほんの少し大きめのお太鼓が目印。今月は帯を取っ替え引っ替えで、本当によくこの塩澤をお召しになったお姿を拝見しました。それがまた格好良いんですよ。たまに季節限定を帯や小物を結ばれた時には「ちょっと!ちょっと!見てくださいよ!」って立ち寄ってくださったり。で、本日は「今月はこれを着倒したから丸洗いで!」と預けてお買い物へ。衿元の汚れ、帯まわりや膝裏あたりの皺を拝見すると、如何に大切に上手に着倒されているのかよくわかります(笑)。お洒落(コスプレ)としてではなく長年実用的にお召しになっていらっしゃる方がお持ち込みになられるきものを拝見するとさすがだなぁと感心します。僕や女将はまだまだひよっこですね。
 明後日あたり、女将と近所の女将と、その女将さんとこへ舌鼓を打ちに行くらしいっす。僕と近所の大将とで愚痴りながら舌打ちするしかないか、、、いややっぱりやめておきます。

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