黒留袖の御相談かれこれ。

身巾と比翼をお直しする黒留袖。

 このところ、黒留袖に関する御相談がしばしば。つまりはここ数年中止や延期を余儀なくされた結婚式や披露宴が再開し始めたと推察します。なんとまぁ嬉しいこと。
 本日のお客様は、結婚される時にお嫁入り道具のひとつとしてお母様が誂えてくださった黒留袖の「身巾が狭くなったので広げて欲しい」とのこと。黒留袖の身巾が経年で狭くなることはないんですけど(汗)、、、それはいいとして内側にもう一枚白いきものを重ねて着ているように見せる比翼がついているので、きものと比翼の巾を広く仕立て替えなければなりません。本来はきものの裾から5分(2cm)ほど短く比翼をつけてあったはずですが、こちらは湿気で縮緬地のきものが縮んでしまって白い比翼がこんにちは。そこで身巾を広げるのと同時に本来の姿に付け直すことを提案しました。4月末におとなり韓国でお嬢様の結婚披露宴なんですって。もちろん間に合わせます!今月はこのほかにもシミ抜きやカビ取りや仕立て直しなど黒留袖だけでも5点ほどあずかりました。
 それから!今朝一番で着付をお手伝いしたのは、先日のブログ『はじまりは、きものに袖を通すこと。』で紹介した男前なお父さんの着付。どうしても見つからなかった羽織紐は僕のを貸しましたが、それ以外は義理のお父さん(僕が知っている近所のおじちゃん)のもの。「先生たちと一緒に子どもたちが頑張って要してくれた席に招かれた上に保護者代表の挨拶まで頼まれたので、ビシッ!ときものを着て行きたいです。そう、袴も」と気合十分。寸法もピッタリで「来年の正月にも着よっかな、」と嬉しい言葉まで頂きました。「保護者代表の挨拶、緊張して失敗してくださいね!」と送り出しましたが、夕方御丁寧にお礼の挨拶に来られた時には「失敗せずに挨拶できました!」と満々の笑顔。手を繋いでいたお嬢ちゃんが満々満の笑顔だったので間違いなし。
 制限がだんだんと緩和されてきたら、何でもかんでも楽しみましょう!もっともっと黒留袖の御相談も増えるはず。

幼稚園の卒業茶会で保護者代表の挨拶をされる男前なお父さん。
幼稚園の卒業茶会で保護者代表の挨拶をされる男前なお父さん。

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