はじまりは、きものに袖を通すこと。

男前っぷりの下がるシワッシワだったきものと羽織。

 近所の幼稚園で行われる卒園茶会。その席でお子ちゃまが点ててくれるお茶を一服、そのあとの保護者代表でご挨拶をされるお父様の着付を承りました。
 奥様が風呂敷包みとともに御来店されて相談を受けたのですが、さすがにこのままお召しになって挨拶の壇上に立たれてしまうと違った意味での保護者代表となってしまう恐れあり。かと言って職人プレスに託す時間も、、、ここは僕の出番!とばかりにシワの伸び具合など少し目をつぶって頂くことを前提に着付に加えてシワ伸ばしまで承りました。この生地が縮緬など蒸気や熱によって縮んでしまう恐れのあるものだったら提案しなかったのですが、強そうなだったので予想は的中。シワひとつない、とまでは参りませんが及第点。きっとお客様にも喜んで頂けること間違いありません。週末に御主人様にご来店を頂き、足りないものや寸法の確認とともに着付の打ち合わせを予定しています。お子様の卒園茶会にお父様がきものをお召しになりたいだなんて、嬉しくってお手伝いしないてはありませんよね。

保護者代表の挨拶にふさわしいきものと羽織に大変身!
保護者代表の挨拶にふさわしいきものと羽織に大変身!
 実はこれまで「きもので過ごす365日を提案」という目当てを持っていましたが、昨年5月に両親から事業を引き継ぐ際に目当てを見直しました。ここ数年は女将と二人三脚で取り組んできたことなのですが、やっぱりまずは日本全国津々浦々のみなさまに「きものに袖を通してもらうこと」を第一に考えることが僕たちの目当てであり役回り。つまりどんなに素敵な商品でも素晴らしい作品でも「きものをお召しになる方」が増えないことには尻すぼみの一途。新たにご購入頂くことも大切ですが、レンタルだろうがお手持ちのものだろうが、着せてもらおうがご自身でお召しになろうが、まずはお召しになること。僕らきもの屋は毎日袖を通して着心地や日々感じることを綴って、お客様にはお召しになった喜びを感じてもらう。そんなこんなで。
 はじまりは、きものに袖を通すこと。
 
きもので過ごす365日を提案する前にやるべきこと。
きもので過ごす365日を提案する前にやるべきこと。があった。

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