天高く馬肥ゆる秋。

 お預かりしたのは、80年ほど前に七五三詣りでお召しになった四ツ身。色遣いと言い、柄と言い、まるでヨーロッパ生まれの高級なシルクスカーフのような。
 縞が粋な着尺で羽織を誂えられるお客様の裏地をどれにしようか決めかねていらしたところに、「あっ!そうだ!うちに何かあるかも!」とおっしゃった数日後の本日。風呂敷包みから現れた白と青のたちに一同驚愕!もうこれしかない!と即決ですよ、即決。「これで裏地代が浮くわ」とさらに満足気のお客様。しかしまぁ、どうしてひと昔前の色柄にはこんなに魅力的に感じるものが多いいんでしょうか。もちろん変色や汚れはありますが、そんなの想定内の問題外。
 値段安く羽織る、お洒落の秋。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください