白×白の献上帯。

 日本舞踊の先生からご注文を頂きました。
 「しばらく結ぶと黄色くなって張りもなくなるのよ。そしたらお稽古用に使いなさいって弟子に譲ってあげるから、新しいのをまた欲しくなるの」とは永らく唐津の花柳界を引っ張ってこられた先生。厳しいことで知られる先生ですが、老若男女、お弟子さんたちから敬われていらっしゃることは一目瞭然。とは言え、「昔ならね、もっと早く誂えるところなんだけど、今は弟子が少ないから」と残念そうに。
 博多織の帯は写真のように独特な縞模様が特徴で、博多黒田藩に献上していたことから「献上帯」と呼ばれています。季節柄、夏用の紗献上かと思いきや、念のために持参した平織りの平献上をお求め頂きました。「やっぱりね、シャキッと結べて背筋が伸びる博多織の献上帯が一番よか。そして色が入ってない白×白がどんなきものにも合わせやすくて。またすぐ黄色くなるだろうけどね、ワッハッハ(笑)」とますますお元気そうで何より。御歳84歳。「池田屋さん、私はまだまだ頑張るけん、あなたも頑張りなさい!」と発破をかけられてしまいました。献上帯ならぬ健常帯だな。
 白×白の角帯を結ぶには、まだまだ修行が足りない。

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