男物改〆奥様の物。

男物夏御召着尺

 十数年に及ぶ眠りに就いていたという男物御召着尺夏物をお預かりしました。
 男物と言うだけあって、夏物をお持ちでない御主人様用に仕立てる。つもりでしたが、反物の巾が狭くて裄(袖の長さ)が1寸(約3.8cm)ほど足りないことが発覚!短いことをご承知の上で仕立てるという選択肢もあったのですが、そこは僕の良心スイッチが許しませんでした。そこでお茶席でもお召しになることですし、「奥様用に仕立ててはどうですか、」と提案したところ、お一人でやって来られた(本当は怖いらしいのだけど)心優しい(ふりをしている)御主人様が快諾。
 ということで早速仕立てに入りたいところだったのですが、十数年間もビニールで巻かれた上に紙箱に入った状態で箪笥の中に眠っていた反物。しかもこの反物の巾から推測すると、三十数年は眠りに就いていたのでは。と勝手ながら。さすがにツーンと加齢臭ならぬカビ臭が、、、まずはお湯に通してカビを落としてから。変色がないことを祈って。
 私の物は私の物、主人の物は私の物。って言ってみたい奥様を代弁。

追伸
ということは、、、もしや、、、御主人様の夏のきものを探さねば!
それにしても結城紬で御召着尺って不思議だなぁ、、、

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