よく知るお客様が見たことのない古い古い色柄の着物を持ってご来店。
「実はですね、骨董市で買ったんです」
「でしょうね」
「それで家で着ていたら、お尻がびりっと」
「でしょうね」
「それでですね。やはりこのままでは」
「でしょうね」
「ほつれ直しをした方がいいと思うんですよ」
「でしょうね」
「ほつれ直しをお願いできますか」
「もちろんです!」
予想外だったのは洗濯の方法でかなり悩んでおられたと言うこと。
「普通の洗剤で洗ってもいいのでしょうか」
「絹なのでお勧めできません。どうしても自宅でとおっしゃるなら、おしゃれ着洗いをなさってみては」とご提案。ご自宅に戻るとこの着物に着替えて過ごしてあると言うその新居に、そう言えばまだお招きを受けていないと気づきました。
「まだちゃんと片付いていないのでご招待できなくて」
「でしょうね(笑)」