八掛の色に合わせて。

　以前お預かりをした色無地の染め替えが上がってきました。
　「私が持っている八掛の紫がとっても気に入っているので、色無地をその色に染め替えてほしい」とお預かりしたのですが、見事に染め上がってまいりました。光沢のある反物と光沢のない八掛の生地だったので、たとえ反物を八掛けと同じ色に染めても違った表情になるのではと心配していましたが、幸いにも違った表情がお洒落を後押ししてくれる感じに染め上がっていました。ご存知の方も多いかもしれませんが、写真は八掛地で、袖口と衽裏の部分です。こうして繋がっていると不思議な感じがしますが、表地と裁ち合わせると「あぁ、なるほど」となります。
　きものありきで八掛を合わせることはよくありますが、八掛に合わせて反物を染めたのは初めてかもしれません。