お城の舞踏会に行くシンデレラをおめかしさせたフェアリーゴットマザーのように、作業着とは言え(2歳の三女がセロテープで伏せを試みたほどの)膝の破れたパンツを履いてやって来た彼の茶ボーイデビューのお手伝いをした本日。
長着は柔らかくそれでいて張りと光沢のある利休鼠の御召。博多織「くみおり」の角帯、絞りで粋に瓢箪を染めた長襦袢、軽やかにさらりと白茶の御召羽織。精好仙台平の御召袴に青磁色の鼻緒が若々しい畳表の雪駄。何度も何度も鏡に向かって袴と羽織を合わせてみては頷き、違う反物をあててみては頷き、彼が納得いくまでとことん付き合いました。大雑把そうに見えて実は大変細かい茶ボーイが羽織紐や半衿の色合わせに至るまで慎重に選ぶ姿に、幼少期から彼を知る僕としては、大器の片鱗と成長を感じ嬉しく思いました。なーんて実は夏の茶ボーイデビューが決まっていて夏御召と絽袴、麻の半襦袢まで選んで本日はこれにて御免。
さてと。残るは片方を落とした雪駄が足に合うか、なんてことを確かめる必要もないほどほやほやの視線と頷く笑顔を鏡越しに感じながらのお手伝い。茶ボーイデビューとともに、末長くお幸せに。