型紙に魅せられた、出張最終日。

 京都、奈良、東京と続いた出張もいよいよ最終日。
 本日はまず浴衣の買い付けで、電車に揺られること小一時間かけて日本橋は人形町へふたたび。昨年から取引をはじめた注染め浴衣屋さんで、昔ながらの技法を守りながら現代の色や柄を素敵に融合させた、量よりも質と申しますか、いわゆるひとつのセンスの光るお店です。昨年は5月頃に紹介されたので浴衣商戦に出遅れてしまったのですが、それでもお客様に評判が良く次々と嫁いで行ってくれました。なので今年は染め上がりの頃合いを伺って早々に。色や柄をバランスよく、いやぁ本当に良い買い物ができました。みなさまにお見せできる日を楽しみにお待ちください。並んでいた反物ばかりに目を奪われていたのですが、振り返ると数千枚に及ぶ下絵と型紙が壁際の棚にびっしり。これこそ、かけがえのない宝物。

板場で型をつける廣瀬雄一氏。
 次は徒歩と電車で小一時間かけて新宿は落合へ。古くから小紋や更紗、無地染めなど染め物が盛んな街で、昨年12月に企画展でお世話になった江戸小紋廣瀬染工場もここに。門をくぐると写真や映像で幾度となく拝見したことのある風景でしたが、実際に目にしたり話を伺うと、改めて日本の手仕事をきちんと伝えていかなければならないという責任を痛感。長板に生地を貼り型紙を使って染めるという工程には、そのひとつずつに言葉では表せない「単純が故の技の極み」が溢れていました。それをいとも簡単そうに魅せてくれる廣瀬雄一氏に完敗。これらを魅力に替えて、お客様のもとに届けるのが僕らの役まわり。
 というわけで、今回は型紙にはじまり型紙に幕を閉じた充実の5日間。今後をお楽しみに!

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