お江戸でござる、出張4日目。

 夏を彩る浴衣を確かめに東へ、本日はお江戸でござる。ふぅ、
 本日は2度目の洗い張り後に仕立て直して新品同様の結城紬。祖母の形見なので少々裄が短いのですが、軽くて超のつくあたたかさを誇る結城紬を着る季節は羽織も着ますからごまかせてしまいます。が、朝は寒かったのですがお江戸もまさかの小春日和で日中は蒸し風呂気分(汗)。羽織は誂えた張本人(社長)がまったく袖を通さないので、虫干し代わりにこっそり持って着た御召。実はこれ、10数年前に桐生で織ってもらった弊社オリジナルで、その名も唐津御召『虹の絲』。松竹梅唐草の中に唐津くんちの曳山14台の紋章が織り込まれています。えへっ。
 さて。朝一番、新作浴衣の待つ日本橋人形町へ。2軒ある取引先のうち、本日は1軒目のみ。数年前まで浴衣はすべて京都の問屋を通じて仕入れていたのですが、「唐津に旨い寿司を食べに来ました」とこちらの社長さんが突然来店されて以来の御縁。浴衣の反物のほかにも麻織物、シルクウール、角帯などを仕入れました。色柄はゴールデンウィークを前に染め上がってからのお楽しみに!
 昼食を挟み、地下鉄や京浜急行を乗り継いで神奈川県は川崎市港町へ。川崎競馬場や川崎大師のすぐ近くにある、いつもお世話になっているお客様のお宅へご挨拶に。ひょんな御縁からきものを誂えてくださったり、御手入れを預かったりしています。お客様をご紹介頂いたこともありました。ということで年に一度ほどしかない上京した折には必ず立ち寄るんです。が、ここは国産第一号の円盤レコードを世に送り出したことで知られている日本蓄音器商会で後の日本コロムビア川崎工場があった土地らしく、駅のホームに美空ひばりさんの『港町十三番地』の歌詞が!もちろん、電車の発車メロディも同曲。ちなみに工場は九番地にあったらしいのですが、、、おかげさまでお孫ちゃんのきものをご注文頂きました。でへっ。
 明日はもう1軒の浴衣屋さん、江戸小紋の染め工場、尊敬するきもの屋さんとの再会。そしていよいよ家族の待つ家路へ。おとうさーん!と飛びつく笑顔が浮かんでは滲む(涙)。

川崎大師へと向かう京浜急行大師線港町駅のホーム

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