三分紐で色を差して、

 「前回誂えてからずいぶん歳を重ね、そろそろ新しいのが欲しくなって」
 と、近所の着付教室に通われているお客様が、浴衣をお誂えに来てくださいました。「これまでと違う雰囲気のもいいですねぇ」とおっしゃりながら幾何学模様、両面染め、華やかな色柄とご覧に入れましたが、結末は「これなら当ててご覧にならくてもお似合いになるとわかりますよ」と申し上げた一枚を衿元に当てて鏡越しにご覧になって、「やっぱりこんなのが落ち着きますね」と決定。モノトーンな流水と菊の浴衣に柔らかい色柄の博多帯、だけでは物足りなかったので先日の京都出張で仕入れたばかりの三分紐で色を差してみました。
 「あ、明るくなっていいですね!」とご満悦にニヤリ。

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