「きものを頂いたんですけど、袖が短いんです」とお持ち込みになりました。
実はこれはよくあるご相談。現代の日本人は背丈とともに手も長くなってきました。それで昔のきものを着た時にほとんどの場合、裄(袖の長さ)が短いのです。さてそんな時、相談を受けたらまずは縫い代にどれくらいの余分な生地が縫い込んであるかを触って確認します。微妙な場合は解いてみる。それでお客様のご要望の寸法に裄を伸ばせないということもよくあります。今回の場合はずいぶん余裕がありました。「2センチでも伸ばせれば助かります」とおっしゃていましたので、裄直しはいっぱいいっぱい(出来る限り長くする)で承ることになりました。「ついでにシミ抜きもお願いします」とのこと。
「綺麗になって嬉しく着てもらえたら幸せね」と、またこっそり着物に声をかけたのでした。