お母様の形見の羽織。

羽織はお母様の形見

 久しぶりに朝からずーっとシトシト雨が降りました。それに加えて寒さと新型ウィルスへの予防も相まってご来店は極端に少なくって静かな1日。
 ってな本日、若女将が着ていた羽織はきもの業界で活躍された大先輩で尊敬する方からの頂き物。ご覧の通り表も裏も素敵な色柄で若女将も好んで羽織っているのですが、、、実はこの羽織は御歳80歳を越えられたその方のお母様の形見。「あなたが毎日きものを着ているって聞いたから、同じ断捨離するなら好んで着てくれる人に上げようと思ってね」と羽織以外にもたくさん頂きました。お召しになっている姿を何度も拝見していて僕自身も思い出のあるきものや帯などたくさんあって、しかも本当に素敵なものばかりでしたから、それを頂けるって聞いて、こんな立場ですしどうしていいか迷いましたが有り難く頂戴して遠慮なく袖を通すことにしたのです。そのうちの襦袢や上布など一部、ほんの一部は男物に変身させて僕が袖を通したものもあります。
 ということでこの羽織は長い間大活躍したのでしょう、若女将が受け継いだ時にはすでに生地がずいぶん弱っていました。ちょっと力が加わると擦り切れたり裂けたり、そしてまた今日も。そしてまたチクチクと手を入れてまた羽織って。お母様もきっとお喜びのことと存じます。大先輩も。
 な〜んて話を知った方々の中で「私もそうやって大切に着たい!」という方が現れたら、僕らも大喜びです。

擦り切れてしまった袂の丸み
擦り切れてしまった袂の丸み

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