10年越しの男前浴衣。

三勝染めの浴衣ペア

 今日は夢のような正夢のようなお客様のご来店。
 およそ10年くらい前、山奥にある陶芸家の工房で大人な夜遊びをしていた頃のこと。お洒落で元気なな大人たちが集い、夜を明かしていた数ヶ月に一度の集まりの中、僕が呉服屋だということを知って「僕もかっこいい浴衣が欲しいです」と話しかけてきた青年がいました。当時僕は30代半ばでしたので、おそらく彼は20代後半。
 その数年後のこと。夜中に尿管結石の激痛に襲われてタクシーで一路、唐津日赤の外来へ。あまりの痛さに車椅子に乗せられて、簡単な診察の後にMRI室へ。苦痛に耐えながら体をまっすぐにして横たわると、

青年「あら若旦那さん、僕ですよ。わかりますか」
患者「お、おぅ」

 撮影後に再び診察室へと向かう別れ際に痛みを和らげようとしてくれたのか、

青年「そのうち浴衣をつくりに行きますからね」

 なんてことがあったのですが、それがなななんと!!!昨夜近くにあるバーで先輩とひょんなことから尿管結石談義になって話をした翌朝のこと。マスクをしていて最初は分からなかったのですが、どこか見覚えがあるなぁと思いつつも浴衣の反物を挟んで話をしていると、まさかまさかのEGちゃん(青年)!しかも素敵な婚約者と一緒に!

EGちゃん「10年分の想いを込めて選びます!」

 その熱い想いをしっかと受け止めて、4つに絞って、2つに絞って、、、最終的によろけ縞と鴨女の両面染め選んで頂きました。最後に帯選びで迷っているところへ「こっちに決めたら、私はこっちがいいです」とそれまで控え目だった彼女からの鶴ならぬ美女のひと声。

EGちゃん「実は彼女からの誕生日プレゼントなんです」

 ちゃっかりお惚気までご馳走にったところで最後の最後に彼女の浴衣まで選び、

EGちゃん「10年分の想いをもう一度落ち着いてから確かめたいので、近く改めて返事します!」

 と想いを貫くところまで素敵な彼。愛とともに深くじっくり確かめ合ってから決めてください。ふたたびのご来店を心うきうき待ちにしています。

追伸
写真も彼女寄りに撮ってみました。

−−−−−−−−−−−−−−−−
6月のきもの成績
若女将6vs5若旦那
−−−−−−−−−−−−−−−−
△5月/26vs26
−−−−−−−−−−−−−−−−
○4月/27vs28
−−−−−−−−−−−−−−−−
△3月/29vs29
−−−−−−−−−−−−−−−−
◉2月/27vs26
−−−−−−−−−−−−−−−−
◉1月/27vs11
−−−−−−−−−−−−−−−−

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください