結城、結城、大島。

 お嫁さんに譲られるのに、3枚のきものをお預かりしました。
 すべて洗い張りをして、それぞれの寸法に仕立て直します。このうち大島紬はカビ臭があって、カビ取りも。それぞれ胴裏が黄ばんでいたり、八掛が擦り切れていたり、袂などに所々穴あきがあったり。弊社にご来店のお客様の中でも本当によくきものをお召しになっていた奥様。僕がまだ幼い頃に学校から帰ってくると、いつもいらっしゃったような気がします。そして「あらまぁ、大きくなったわね。何年生になったの?」とお会いするたびに尋ねられて、「(この前言ったばかりなのに、)3年生です!」と申し上げると、「あらぁそうなの!これでアイスキャンデー(アイスクリーム)でも買っておいで」とお小遣いを頂いていた(ので何度も答えていた)ような気がします。
 そのお客様がすっかりお歳を重ねられて、久しくきものをお召しにならなくなって寂しい限り。いよいよ少しずつお嫁さんや姪御さんにきものを譲られる日が。しかしながら相変わらずの整理上手で、今でも二階の納戸にある箪笥の何段目のどこに何が収まっているかを常に把握されています。女将はその指示通りに箪笥からきものや帯、小物などを出してきては相談を受けている最中。本日は結城紬、結城っぽい紬、大島紬の3枚
。というわけです。
 お洒落にお召しになって丁寧に管理されたきものたちが次の世代へと譲られていく、そんな節目に立ち会えるのもまたきものや冥利に尽きますね。

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