丸帯あるある。

 「こんなの重たくて結べません」
 ご自宅の箪笥の奥深く、長い眠りから覚めた丸帯は決まってそう言われます。現在結ばれている礼装用の帯は袋帯といって、様々な組織で織られた表地と別に織られたやや薄手の帯裏地とが縫い合わされています。が、丸帯とは帯巾の倍の巾に織られたものを二つ折りにして端を縫ったもの。つまり表も裏も同じ柄になります。しかも糸をふんだんに用いて織られるため、よくもまぁこんなに重たいものを結べたものだと感心するほど重たいのなんのって。しかしながら戦前頃までは最も格式の高い女性用の帯として重宝されていました。
 で、現在はご家族の思い入れのある丸帯は、裁断して帯裏をつけて袋帯に、残りを半巾帯や角帯に仕立て替えられることしばしば。ということでこんかいのお客様も同様のご相談でまずは見積もりを。
 とにかく重たくって肉厚です。そのまま結ぶなんてあり得ません。

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