悲しみの紋付。

きものの似合う方でした。桜が散る頃に旅立たれました。
 葬儀に参列された方が、お召になったきものと羽織のお手入れをお持ち込みになりました。故人を偲んでお召にったそうです。江戸小紋は刺繍の一ツ紋付の万筋、八掛は黒。同じく一ツ紋を染め抜いた羽織を重ねて。
 春なのに、とても悲しいのです。

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