久しぶりのご来店は、万が一に備えての黒紋付一式のお手入れ。
万が一とおっしゃるのは、本当に万が一のことで、百が一、十が一くらいの状況になってしまうと、黒紋付の準備なんてしてる余裕もなければ不吉過ぎて準備できないから。かと言って万が一の時に箪笥の引き出しから出してみると、シワやカビで着れる状態じゃない!って、せっかくご両親が誂えてくださった黒紋付には袖を通さずに、レンタルの黒紋付で見送ってしまう親不孝なこともしばしば。幸いなことに、お預かりした一式はお召しになれない状態ではありませんでしが、ほんのりカビ臭さときになるシワが。それらを包んでいた畳紙がカビ臭くって変色していて悲惨な状況でした。ということで丸洗いとカビ取りへ。
と同時に、数年前に嫁がれた長女様だけに誂えていらした黒紋付一式を、「この機会に、」と二女様にも。黒紋付は紋入れへ、黒共なごや帯は仕立てへ、長襦袢は採寸待ち。あとは万が一にならないことをただただ祈るのみ。