男前の御出産を前に、

 白生地から染める一ツ身のお誂えを承りました。
 永らく若女将レッスン!を受講されて着付の腕前がようやく身につかれたある日、「実は、、、」とたたた待望の第一子がお腹の中ですくすくと育ち始められていることを耳にしました。それからもレッスンの受講とともに赤ちゃんは順調に育ち、御出産を前にご実家へ。という少し前からお宮詣りのきものについてご相談を受けました。兜や鷹などが染められた一般的な既製品をご覧に入れた上で、白生地から誂えるという選択肢も提案したところ、ご実家のお母様とご協議の結果は後者。
 いよいよご実家へ向かわれる朝。白生地の中から選ばれたのは、次々に脱皮を繰り返しながら勢いよく成長していく蛇の鱗に見立てた縁起の良い鱗文。これから青みのある鈍い灰色の鉛色に染めて、刺繍で抱き柏の家紋を背中に一つ。長襦袢に付ける重ね袖には昇り龍の鱗に見立てたこれまた鱗紋。どれだけ昇り調子で元気な男前がお父さんとお母さんに逢いに来てくれるか楽しみで仕方ありません。
 まずは安産を祈るばかり。

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