ずいぶん前からご要望を頂いていた結城紬の無地が5色入荷しました。
煮出した繭を手の平ほどの大きさに広げ、それを8枚重ねた真綿から一本ずつ撚りをかけずに真綿そのままのような糸をつむぐ。もちろん人の手で。丁寧につむがれた糸を染めて織った結城紬は、糸同士が絡み合ってふたたび真綿のような風合いに。その柔らかさと暖かさ、軽さといったら唯一無二の存在。設計図をもとにくくって染めた絣糸を寸分違わず織って柄にするのも大変な手仕事ですが、織り手のくせや強弱などによって段や色むらが出やすい無地もまた織り手の真骨頂。
ほんの少しだけ赤みを帯びた同系色の八掛を染めて、いまお持ちの鳥の子色と、この秋は競い合ってお楽しみいただくことに。