昨年末にご相談を受けた、訪問着と長襦袢。
「少しずつ箪笥の中身を整理しようと思っています。その第一弾として私が大切にしているきものたちを、三人いるお嫁さんたちの寸法に仕立て直して譲ろうと思って」と、目の前に現れたのが写真にある鴛鴦の訪問着と桜の長襦袢。
実はこのきものは、数十年前にお客様がはじめて弊社で誂えてくださったという一枚。もちろん僕はまだ幼少の頃でお召しになっていらっしゃる姿すら覚えていないのですが、対する桜の長襦袢は「いつの日か息子たちにお嫁さんが嫁いで来たら仕立ててあげようと思って」とお買い上げ頂いていた一枚。それはよく覚えています。
という最初の栄冠に輝かれたのは、東京にお住まいの御二男のお嫁さん。仕立て直すために採寸をしたところ、なななんと裄も身丈も合点合点合点合点。なんとまぁ親孝行なお嫁さん。の鏡!
早速この訪問着に合わせて長襦袢を仕立てるのです。