形見の髭紬。

 近頃はほとんど見かけなくなった髭紬。
 ひと昔前は男物のアンサンブル(同じ生地のきものと羽織)と言えば髭紬というほど往年の名選手。本日は色違いで揃い踏み。実はもう一枚、色違いがあるそうです。何を隠そう、お客様が若かりし頃にお父様とお兄様と色違いのお揃いで誂えられたのだとか。写真の揃い踏みは、写真向かって左側の藍鼠がお兄様の一式、向かって右側にある焦茶に縞袴を加えた一式がお客様のもの。もう一枚の持ち主であるお父様はお元気にご存命なのですが、残念ながらお兄様は若くしてお亡くなりになりました。「あれ以来だから20年近く箪笥の中に眠りっぱなしだったかな。僕の寸法に仕立て直してください」と、先日お召しになったばかりのお客様の一式(焦茶)とともにお持ち込みになりました。もしかすると寸法があまり変わらなかったら丸洗いをしてそのままお召し頂こうと思いましたが、身丈が2寸(約8cm)も違いましたので、洗い張りへと旅立ちます。
 なんて本日は、ちょうど7日(なんか)8日(ようか)のお手入れ日和。実は昨日も、はじめての赤ちゃんのお宮詣りを前に、「実家の箪笥に眠っていたきものを主人に着せたいんですけど、」と丸洗いに持ち込まれたところでした。男前のきもの姿は仲間が増えた気がしてとことん応援したくなります。
 まだまだ日本全国津々浦々の箪笥の中には男前のきものたちが眠っているはずに違いありません!日本男児なら是非ともきもので過ごして欲しいものです。

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