まさかの着付納め。

 店内の大掃除が佳境を迎えようとしていたその時!
 「あのー、突然ですが、今日の15時頃に着付をお願いできませんか?」と一本の電話。数年前、お母様がお召しになった豪華絢爛な振袖とカッチョイイ小紋を洗い張りをして、お嬢様の寸法に仕立て直したお客様。その後は事ある毎に「きものをお召しになりませんか?」と提案していたのですが、「全くその気がないんです」とせっかく仕立て直したというのに残念そうなお母様。果報は忘れた頃にやって来るのが世の常なのか、まさかまさかの大晦日に「一度着てみたいです」と帰省されたお嬢様からのお電話。「いいえ、できません」なんて申し上げるわけがあ〜りません!
 ということで本日が、まさかの着付納め。記念写真を取られるわけでもなく、どこかへお出掛けになるのでもなく、ただただお召しになりたかっただけ。
 若女将「せっかくですから、このまま年越しそばまで過ごされたら」
 お客様「あ、そうですね」
と、まずは近所のお友達のご自宅へと向かわれました。本当にカッチョイイきものがよく似合われていて、全体像をご覧に入れることができずに残念無念。
 いずれにしましても、本当に最後の最後まできものをお召しになるお手伝いができて佳い一年の結びとなりました。ではまた来年!どうぞ佳いお年をお迎えください。

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