男前のお宮詣り。

 40数年前の一ツ身をお預かりしました。
 「お母さんから『あなたが生まれた時のきものがあるよ』と言われて預かったものの、シミやシワがひどくて本当に着れるんだろうか」とは、小学校から高校まで同じ時を過ごした幼なじみのお父さんからの依頼。最初の女の子は大学受験を控えていて、2番目の女の子は3歳、3人目にして待望の男の子。その子にお父さんが着たきものを着せれるなんて素敵すぎる、、、のですが、全体にシミカビによる変色が見られてさぁ大変。さすがに全体の変色に手をつけるとなると、手間とお金がかかるので丸洗いのみ。「なぜか家紋が入ってないんだけど、この機会に入れてもらおっかな」とのご要望には、家紋の中と薄くなった地の黒色に違いが出ることを了承してもらった上で応えることに。家紋は『丸に三ツ星一』。春が来たら、赤ちゃんに会いたい。
 43回目の誕生日に友人の大切な節目の役に立てて感無量。

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