御祝儀と、御祝儀前と。

 鷹と兜が勇ましい男前のお宮詣りのきものをお預かりしました。
 御子息のために誂えられた30数年前の産着を、生まれたてのお孫さんに着せてお宮詣りをされるのだそうです。「せっかくの御祝儀だから、変色している内側の重ね着は新調して、きものは丸洗いできれいにしてお宮詣り迎えたいです」と2世代に渡って活躍する産着、なんとも幸せなきものです。拝見すると、ほとんど目立った汚れはなかったのですが、3歳の七五三詣りでお召しになった時の身揚げの縫い跡とシワが残っていました。全体的にうっすらと色褪せていますが、それはそれで味わい深い色となっています。お盆が明けたらすぐにお宮詣りだそうで、慌てふためいて丸洗いに出しました。
 もうお1人は、午後から若女将レッスン!を受講されたお客様。「近頃お教えした中では1番の優等生かな」。とは、ようやく長い冬にさよならをして春を迎えようとしている友人。「やっぱりきものを自分で着れるのと着れないのとでは、相手のご家族様からの印象が違いますからね」と若女将レッスン!をやる気満々で受講し始められたのですが、「帰ったらすぐにやってます!」というご自宅での復習が功を奏し、2回目にして浴衣は卒業してもよさそうな感じ。2本持ち込まれた半巾帯のうち、真っ赤な博多織の1本がカビ臭かったのは想定内。そのほか午前中にも若女将レッスン!、午後4時からは着付のご予約が4名様と、若女将の獅子奮迅ぶりばかりが目立つ今日この頃。
 いずれにしましても、浴衣やきものが弊社で誂えて頂いたもかどうかなんてことは、1でも2でもなく5の次ですよ。大切なご家族の節目に役に立てる喜びは何ものにも代え難し。

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