酷暑をも弄ぶ帽子とサングラスの紳士がご来店。
日傘の陰からエレガントな奥様が「夏の角帯があるかしら」とそよ風のような声。酷暑の中お二人で喫茶(おちゃ)しにお出掛けの途中に、そう言えば「きもので呑みに行くにも、いつも同じ帯じゃあ男がすたる」と立ち寄られたそうです。夏物をご要望でしたが、「俺のきものは全部知ってるだろうから、どれが似合うかあなたに任せる」と太鼓判を頂いたので、秋のお洒落に御召の単衣にも絽縮緬の羽織にも、あの色やあの色の袷にも重宝しそうな青磁色と白磁色で織り込まれた幾何学模様の一本をお勧めしました。
次のご来店はお二人揃ってのきもの姿を楽しみにしています。