「下駄箱に眠らせてるよりも、履いてくれる人にあげた方がいい」
そうおっしゃって、一度も履いてないという下駄をお客様から譲り受けました。稀にきものや帯を頂くこともありますが、履物はこれで何度目でしょうか。頂戴して嬉しくもあり、履かれなくて寂しいというか、なんとも複雑な思いですが、僕が履くことで役に立てるのならば喜んで。鼻緒がすっかり傷んでしまっているので、新しいのにすげ替えようかと。「履き心地が悪かったり、好みじゃなかったら煮るなり焼くなりお好きにどうぞ!」と、まさに預けられてしまったこの下駄。実は庭下駄といって歯がなく平らで芝生の上で履くためのもの。雨ざらしになっても痛みにくい竹の皮の鼻緒を挿げるのが一般的。
ですが弊社には芝生なんてありませんので、普通の鼻緒を挿げてカカトにゴムをつけて履くんです!