読谷山花織と、念願の芭蕉布をもとめて。

 琉球染織工房を巡る旅路2日目。
 あさ6時に起きて7時開店の味噌めしや「まるたま」さんで腹ごしらえから。ここは首里で創業百六十年あまりの老舗味噌蔵「玉那覇味噌醤油」の無添加天然醸造の味噌を使ったごはん屋さん。洋食を選びがちな旅先において、しかも沖縄ならではの味噌汁に舌鼓。旨し。
 ホテルに戻り身支度を整えて8時30分、いざ読谷村へ!車で小1時間ほど走って到着したのは、東シナ海を望む高台にある工房「真南風(まふえ)」さん。こちらは天然の草木染めにこだわる花織の工房で、到着すると駐車場では織り上がったばかりのなごや帯に水をかけて洗い流していました。
 これは「水通し」と言って織る際に糸が毛羽立たないようにつけた布海苔を洗い流す作業です。一見、水で洗い流すと縮んだり色が流れたりするんじゃないかと心配になりますが、縮まないように縦は両端をローブで横は伸子針(しんしばり)と言う両端に針ついた竹の棒で張った状態で水をかけるので心配御無用。色は水洗いで落ちる程度のものはそもそも糸に定着してない色素なので、お召しになった時に汗などの水分できものにいたずらしたりしないようにあえて洗い流すのだそうです。しかもこの後には天然草木染めの天敵とも言うべき紫外線の強い沖縄の太陽が降り注ぐ日向で干されていましたが、糸を染める際には淡い色を何度もかけて染めては天日干ししてまた染めてを繰り返しているのでこれまた心配御無用。と言いますかね、丁寧すぎるお仕事に感服ですよ。
 ちなみにこちらの工房「真南風」には機織りさんが10名ほどいらっしゃいますが、どなたかの作品が織り上がるとほかの方が手を止めて水通しを手伝うのだそうです。現に2本の帯に対して6人がかりで水通しをされていてみなさんとても仲が睦まじくかつ切磋琢磨されている様子が垣間見られたのでそのことを伝えると「はい、ありがとうございます。もっともっと楽しい工房にしたいと思っています!」だなんてすんばらしい(泣)。と、その隣では木槌を打つ音が。お話を伺うと、近くの工事現場で倒されたクワリーサーという木を引き取って染めの原料にするために木槌で叩いて幹と皮に分けているところでした。鉄で媒染すると幹は灰色系、皮は茶色系に、ここにはありませんでしたけど葉はベージュ系に染まるそうです。そのほか琉球藍の甕も見せてもらいました。続いて2階に上がると15台ほどの機と水通しをされている以外の機を操る方々が数名。おひとりは新人さんでお稽古中の方をはじめ最年長は50年戦士もいらして、その方がつくられるサーダーアンダギーがめっぽう美味いらしいので次回のお楽しみに。
 以前こちらの作品に魅せられて仕入れたことがあり現在も帯をひとつ保有していますが、はじめて工房を訪ねて製作風景を拝見したりお話を伺ったりしてますます虜になりました。今回も読谷ならではの花織を手に入れましたので乞うご期待ください!

織り上がったばかりの帯についている布海苔や余分な染料を水で洗い流しているところ。

 そして次はさらに車で1時間半ほど北上し、今回の旅路の最終目的地である大宜味村喜如嘉へ。言わずと知れた『芭蕉布』の里。これまでも沖縄本島を訪れる旅に行きたい!行きたい!と思ってはいましたが到達できず。今回は何としても!との想いでようやく辿り着いたのです。遠い!けど行ってよかったです。1階では芭蕉布についての動画を拝見して何度もため息を漏らし、2階では苧引き(うーびき)と言って木灰で煮て柔らかくなった芭蕉の原皮から糸になる繊維を取り出す作業が行われていました。芭蕉布は糸になるまでの道のりが長いんです。隣の部屋では琉球藍で糸を染める作業も行われていました。いやぁけど本当に感動しました。数年前にお亡くなりになった平良敏子さんが再興され技術の普及に尽力された芭蕉布は、これからも脈々と受け継がれことでしょう。すんばらしい!けどこちらの写真はありません。ぜひみなさんも一度見学に行かれてみてはいかがでしょうか?
 今回の旅路では素敵な方々と素晴らしい作品たちとの巡り合いの連続で、はじめてのものばかりだった女将にとってもたいへん有意義な2日間となりました。同行した三女も工房巡りは興味深かったみたい。さぁ、明日は本日の定休日を振り替えて仕事以外の沖縄を楽しんで帰ります!とにもかくにもこの秋10月の企画展を楽しみにお待ちください!!!おしまい。
 

この日は二階の作業室で苧引き(うーびき)が行われていた芭蕉布会館。

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