白鷹青空白い絣。

白鷹町へと向かう道すがら

 社長になってはじめての置賜染織工房ツアー2日目は、米沢から車を走らせること約1時間、唯一無二の板締め絣や独自の風合いが特徴の御召で有名な白鷹町から幕開け。

機にかけられている板締め絣の糸。
機にかけられている板締め絣の糸。
 といっても2軒しかない工房のうち小松織物工房から。こちらの御当主は、この地に大切に受け継がれて来た伝統織物を次世代に受け継ぐことを真剣に考えていらっしゃるおひとりで、若くして米沢白鷹、長井の三つの産地をまとめた置賜紬伝統織物組合の理事長でもあります。中でも熟練の職人でひと月に一反しか織れない板締め絣は、そのうえ日本でもこの2軒でしか織れない代物。結構なお値段を求められるのですが、まぼろしの織物と言われても過言ではないくらいに注文しても何年先に手に入るか分からないほど。僕らが少しでも安く仕入れようなんて思っていても売ってもらえないほどの売り手市場。板締めではありませんが、奇跡的に絹上布、ドビー織機で織られた無地が2反、紅花と藍で吉野格子に織られた紬の4反のみありましたが、僕の好みではなかったので撃沈。
 続いてもう一軒、佐藤新一さん夫妻が営まれている有限会社白たか織さんへ。こちらも僕が手に入れられる可能性のある製品は真綿紬1反、綾織の草木染め紬1反、八寸帯が1点、いつも配色が美しい花織の九寸帯が3点の合計6点のみ。ひと目惚れした綾織の草木染め紬と花織の九寸帯を1点ずつ手に入れました。10月まで僕の手元にあたためておけるか心配でっす。帰り際、機にかかっていた織りかけの綾織にも危うく唾をつけてしまうところでした。ふぅ、

99%の黄色と1%の紅色(ピンク)の原料となる紅花。
99%の黄色と1%の紅色(ピンク)の原料となる紅花。
 続いては米沢に戻って紅花染めの雄、新田源太郎さんの待つ新田さんへ。こちらも前回伺ったのですが、直々の解説を頂き改めて紅花染めへの見識を深めた後、帯にきものに自社工房で織られている様子をひと通り見学した後に作品を拝見しました。欲しかった吉野格子に織られた九寸帯が見当たらなかったのですが、他所に配送準備をされていた中から「どれか1点ならお分けできます」と6点を特別に引き抜いて来てくださって。色柄はお楽しみに!続いて八寸帯の諏訪染織、男物が得意の東匠猪俣さんで羽織向けの反物数点を手にしたところで本日は閉幕。
 何が驚いたって、高価な物でも人気がありすぎて品薄だったこと。欲しくっても易々とは手に入らないこと。店にいて待っていてもひとつも手に入らないってこと。これから置賜地区のみなさんとどう向き合って行くかを真剣に考えておかなければ、、、という危機感を感じた2日目。

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