草履を大切に履くために。

京都の老舗伊と忠のエナメル草履

 「主人から買って貰って大切に履いている草履鼻緒が切れてしまいました」
 と、持ち込まれたのは京都の老舗伊と忠さんの草履。箱から取り出して拝見すると、前つぼがずいぶん痛んだ上に中の麻紐が切れてしまっていました。さらに拝見すると、といって足の当たる部分と台との接着剤が剥がれてしまっています。これは一大事です。ひとまず専用のクリーナーで汚れを拭いて落とすに留まり、すぐに草履メーカーへ発送。前つぼはエナメル革から足当たりの柔らかいナイロン本に生地を変えて色は近い色に。中を通す麻紐は新品と交換。最大の敵は、とコルク芯を包む巻と底革を接着して構成している台が新たな接着剤で再結成してくれるか。
 御主人様が愛する奥様に贈られた想いが職人に通じるのか、結果発表は後日お楽しみに。

草履の部位の名称
草履の部位の名称を簡単に解説します。
 こちらは草履の台も鼻緒も、皮革の上にウレタン樹脂を吹き付けてあるエナメル革です。
 光沢があって上質な印象を与えるエナメル革は一見汚れにくそうな印象がありますが、実は埃や指紋など汚れが付着しやすく、履きジワからひび割れを起こしやすい素材です。特に水に濡れたままや高温多湿な環境に長時間放置しておくと経年劣化で樹脂が溶け出してしまいます。履かれた後には乾いた布で乾拭きやエナメル専用のクリーナーで拭きながらシワを整えてあげることが肝心要。また水に濡れた場合には接着剤の劣化を防ぐためにも風通しの良いところで陰干ししてあげましょう。

−−−−−−−−−−−−−−−−
9月のきもの成績
若女将25vs24若旦那
−−−−−−−−−−−−−−−−
△8月/27vs27
−−−−−−−−−−−−−−−−
△7月/29vs29
−−−−−−−−−−−−−−−−
○6月/27vs28
−−−−−−−−−−−−−−−−
△5月/26vs26
−−−−−−−−−−−−−−−−
○4月/27vs28
−−−−−−−−−−−−−−−−
△3月/29vs29
−−−−−−−−−−−−−−−−
◉2月/27vs26
−−−−−−−−−−−−−−−−
◉1月/27vs11
−−−−−−−−−−−−−−−−

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください