紋屋井関の袋帯。

紋屋井関の袋帯

 お客様から、牛首紬とともに京都は西陣織の名家のひとつ紋屋井関の袋帯をお預かりしました。
 僕が子供の頃は、決まった曜日になるとお茶かお謡のお稽古帰りに必ずお友達ときもの姿で御来店。学校から帰ると店内で談笑されていて、何度お会いしても「あらぁ、さとしちゃん。大きくなったねぇ、何年生になったと?」と尋ねられる度に、「この前お会いしたばかりなのに、そんなに大きくなるわけないじゃん」と心の中で叫んでいたことを思い出します(笑)。
 そんなお客様もお歳を重ねられて、近頃はたくさんお手持ちのきものや帯をご家族やご親戚に譲られることが多く、女将がそのお手伝いをすることしばしば。そんな本日、お客様宅から帰った女将が手に持つ畳紙の中には見覚えのある、つまり家業を継ぐべく僕が帰って来た後にお買い上げ頂いた牛首紬と紋屋井関の袋帯。同封の紙には「池田屋聡君披露宴に着用御寮織16年10月吉日」と書いてありました。そう、この帯は僕が同年11月に結婚披露宴を控えていて、その記念にとお買い上げ頂いたものでよくよく覚えています。それからもう、16年も経つんですね。
 こちらのお客様は、本当に良い品を大切にお使いになる方です。かと言ってお召しにならないかというとそうではありません。よくお召しになって且つお手入れや保管、整理に至るまで驚くほどの丁寧さ。この帯だってそうです、シミはもちろんシワもほとんどなくこんなに良い状態でご親戚の手に渡っていきます。こんなに素晴らしい帯やきものを惜しげもなく、です。譲り受ける方は幸せ。
 気になるのは、この紙も一緒にご親戚の手に渡るのかどうかということ(苦笑)。記念に僕が頂こっかな。な〜んちゃって、

紋屋井関・御寮織の袋帯
僕たちの結婚祝いにとお買い上げ頂き、披露宴に結んでくださいました。

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6月のきもの成績
若女将9vs10若旦那
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△5月/26vs26
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○4月/27vs28
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△3月/29vs29
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◉2月/27vs26
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◉1月/27vs11
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