男前の宮詣り着。

 「私にとっては初めての男の子だったし、母が奮発して入れて誂えてくれたのよ!」
 とは30年ほど前に息子さんのお宮詣りに羽織られた一ツ身。雲海から頭角を表した富士山?に若松という、なんとも勇しく優雅で大胆な構図。しかも白地に墨描きっていうのがまた圧倒される所以か。「このシミが取れるなら、」と、この4月と6月に出逢いに来てくれる予定の男の子のお孫ちゃんのためにご相談を承りました。
 よく見ると全体に無数の黄変が。しかも厄介なのは墨描きされた中にもあること。こんな黄変に技術と経験、そして勇気を持って立ち向かえるのは僕にとって世界でただ1人、神様仏様’magic’日名川先生のほかにはいらっしゃいません!さっそく相談を持ちかけると、「いま大人気でなぁ、3ヶ月待ちやで。しかもこりゃあ、シミ抜き、部分漂白、色合わせ、染色補正、地直し、酵素も使って相当神経を使う仕事になりそうやなぁ。けど君の頼みなら、、、少しご予算を超えるけど、他のを差し置いて手を入れてなんとか4月中旬に仕上げちゃる!」と3時のおやつ休憩の時間に御返信。さ、さすがに技術料が少々高いのですが、僕がこれまで依頼したもので、満足のいかなかったものは一枚もないどころか、本当に魔法のような技術の持ち主なんです。出逢って15年ほどになりますが、どうしてプロジェクトXのプロデューサーの目に止まらないのか不思議なほど。
 さて。話は戻りまして、日名川先生からご説明とお見積もり頂いた内容をお客様に伝え、御主人様と相談されることに。新しいのを誂えられるか、日名川先生の手に委ねて価値ある一枚を蘇らせるか、ご回答が楽しみで仕方ありませぬ。

衿元、袖、身頃など至るところに黄変が点々と、、、

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○3月のきもの成績
若女将6vs6若旦那
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◉2月のきもの成績
若女将27vs26若旦那
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◉1月の対戦成績
若女将27vs11若旦那
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