「祖母の形見の紬を羽織に仕立てたいんです」とご相談あらば、お洒落な裏地をご用意するのが私どもの役割。
落ち着いた赤紫色の無地に織られた紬に合わせてお客様の目に止まったのは、生成りに華奢な蜘蛛の巣の一枚。「やっぱりこれが好きです。幸運も網にかかりそう」とにっこり。寒い季節にきものをお召しになることが多いそうで、これまで羽織をお持ちじゃなかったことが不思議なくらい。きっと大活躍するに違いありません。今回お預かりした羽織のお仕立てと同時に、おばあさまから譲り受けられた別の羽織の裄直しをお預かり。「卒園式にはこちらを着ます」と急ぎの宿題を頂戴しました。
「もうしばらくしたら、濃い色の訪問着が欲しいんです」と嬉しいお話の続きはまた今度。
◉2月のきもの成績
若女将23vs22若旦那