長らく地域の活動に貢献された御主人様が叙勲を受けられる記念に、奥様から一丁羅のプレゼント。
「紺色の髭紬のアンサンブル、泥染めの大島紬のアンサンブルの2着を持っていて、次はちょっと色の違う黄土色のアンサンブルを買ってあげようと思って、」とのご相談。「えっ?本当に黄土色?しかもアンサンブル?」と思いましたが御主人とお会いしたこともなければ写真なので拝見したこともない、お人柄やお好みもわからないのでひとまず依頼主である奥様と面談で事前調査。どんな色柄であれお買い上げ頂くのは大変ありがたいのですが、「こんなの着たくない!」なんてことになって御主人様が袖を通されないほど無惨なことはありませんからね。ということで奥様と御主人様のことをよくご存知のお姉様がお二人で御来店。いつの間にか黄土色のことは棚の上に置き去りにして、茶系や黒系、墨色系をご覧になって、千鳥格子がお洒落な墨色のお召しに霞のような横縞と柔らかい光沢がこれまたおしゃれな紬を羽織に。
お正月にこれをお召しになって近所に挨拶まわり。朝から夜まで飲みっぱなしでシミもシワも覚悟の上。なのだとか。