まちの○○屋さん。

 「たくさん釣れたから持って来るね!」と、お客様からの電話。
 聞くと80cmで3kgは優に超えるブリ(ワラサ?)らしい。そう言えば切れ味を失っていた出刃包丁を研ぐ暇がない!ということで近所の包丁専門店、いわゆるまちの研ぎ屋さんに持参しました。日曜日なのでおやすみかどうかを心配しましたが、どうやら営業中らしいので店内へ。「勝手を申し上げますが、訳あってすぐに研いで欲しいんです!」と御主人に相談すると、日曜日のお昼時なのもあってか最初は難しそうな面持ちだったのですが、差し出した包丁の状態をご覧になられているうちに思い出されたのか、「この包丁は何度も僕が手入れしてあげたもんだよ」とニヤリ作業開始。僕も、ついて来ていた三女も、ニヤリ。
 ところがである。電動の研ぎ機でササっと研いでくださるだけかと思いきや、包丁の根っこが錆びついて折れかけているのを発見されるや否や、木製の柄を金槌で割っては「やっぱりか、」とニヤリ。そうして根っこに何度も手を加えて新しい柄に変えては包丁の角度を調整。機械で研いだ後にはさらに数種類の砥石を使い分けて丁寧に研ぎ澄ませ、新品同様に生まれ変わって僕の手に。料金は税込で1,800円。包丁や研ぎ方に関する難しいことはよくわかりませんが、もう嬉しくて有り難くって、次に包丁を買う時には絶対にここで買おうと心に決めました。こうやって商いって続いていくんだなぁとつくづく。家に戻るとブリが届いていたのでさっそく包丁の切れを味わい、その感想文とともに柵どりした身と吸い物にすれば旨そうな粗をお礼の気持ちを込めて研ぎ屋さんに持って行くと、「わざわざありがとう!」と包丁を研いでくれた時と反比例したほっこり笑顔。
 まちの○○屋さん、すなわち専門店ってこんなところにあるんですね。

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