片貝木綿と飴ちゃんの襦袢。

 長女が通う小学校の運動会から疲労困憊で帰社すると、何やら二階が騒がしく…。
 お話を伺うと「七緒を見て来ました!」と、昨年3月に取材を受けたプレジデント社七緒vol.45をご覧になったお客様。が、はるばる車で小1時間かけて佐賀市から呼子のイカランチ経由で。最初は紬やなごや帯をご覧になっていたのですが、「気軽に普段着を楽しみたいんです!」と木綿のきものに方向転換。斬新で粋な縞に続いて写真の太い横縞を鏡の前で当ててみては迷い、転がしては迷われ、一緒に来られたお父様とお母様が見るに見かねて背中を押してくださるのかと思いきや、特にお母様がさらに迷わせてしまうというおもしろ仲良し家族(笑)。最後は財務大臣を買って出られたお父様のひと声が決め手となりました。「きものよりも長襦袢の方が値段が高いけど、この前買ったきものにも合わせて着たい!」と飴ちゃんの長襦袢も。さらに財務大臣の太鼓判で、最初にご覧になっていた紅花染めの紬にまで手が伸びてしまう大どんでん返し。で、気になる寸法は次回ご来店時にお手持ちのきものをご持参頂いて、紅花染めの八掛合わせとともにじっくり採寸のお楽しみ付き。
 と、楽しい接客が終了したのも束の間。次はまたしても車で小1時間の福岡市から久しぶりのお2人様。おひとりは色無地に刺繍の家紋を入れるご要望、もうおひとりは知人から譲り受けられた男物の大島紬洗い張りをして女性物に仕立て替えのご相談。家紋は「定紋だと楽しくないから、」と珍しい『一ツ花沢瀉』を共淡色の糸で、大島紬は「単衣のきものを持ってないから、」と袷だったのもを単衣に。唐津くんち装束(肉襦袢)のお仕立ての相談も間に入って、運動会の疲れなんていつの間にか忘れてしまっていました。
 (七緒掲載の)反響の波を期待し続けて、約1年半後のこと。

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