涙のような小雨の降る中、お客様のお母様の告別式に参列いたしました。
それはそれは元気なおばあちゃんでした。料理上手で食欲旺盛、肌もツヤツヤでお口も達者、そして好奇心旺盛で勉強熱心。本当にいつまでもお元気な姿しか目に浮かびませんが、しばらくお会いしないうちに入退院を繰り返されていらしたみたいで、96年の生涯を全うされ、ご家族に感謝を述べ、苦しまれることもなくおばあちゃんらしくご逝去なさったとのことでした。きものがお好きだったということもあって、どんな衣装が相応しいか考えましたが、いつもと変わらない素直な気持ちで臨むのが一番喜ばれるのではと思い、江戸小紋「御召十」×黒紋付羽織を選択。
「そ〜んな、気ぃなんか遣わなくったっていいのよ!」という声が聞こえてきそうな遺影でした。