カビるんるん、るんっ♪

帯芯にカビるんるん、るん♪

 黒紋付や色無地に結ぶ黒共なごや帯をお預かりしました。
 お母様から譲り受けられたやや年代物の帯は、しなやかで光沢のある繻子地に鞠の柄が織られた大切ない一本。しかしながら一般的ななごや帯とは少し違って袋帯のように端から端まで裏地がついていて、かつ端から端まで開いた(お太鼓の巾の)まま仕立てられていました。そこでなごや帯の特権ともいうべき簡単に結べるよう、一般的ななごや帯と同様にお太鼓以外の部分を半分に細長く仕立て直したい!と預かったのです。ところどころにカビと思われる白い斑点と少々の匂いが気になりながら。
 さてさて。さっそく縫い目を解いて中を開けてみると、、、ほら!ご覧の通り。帯芯が湿気やカビなどによって黄色を超えて茶色く変色していたのです。帯地が黒いから白い斑点が出るまで気づきにくいのですが、もしも帯地が白かったら帯芯の茶色が透けて見えたでしょうし、ここまでカビるんるんが忍び寄っていたら表地も黄ばんでいたに違いありません。ということで、丸洗い(油洗い)または洗い張り(水洗い)に加えてカビ洗いをした後に、新しい帯芯を入れて仕立てる!見積もりを頂き、それをもとにお客様と相談をしてから加工を進めることになります。
 できることならお母様の想いごと受け継いで、ご家族様の大切な節目に備えて欲しいと願って〜♪願って〜♪エブリバーディー。

◉毎月7日と8日はお手入れ日和

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