きものでお正月物語

ゆうパックで届いたお手入れ8点

 今日の午後、きものや帯がぎっしりと詰まったゆうパックがひとつ届きました。
 事前にご連絡を頂いていたので、さっそく開封して中身を点検。と、その前に封書を開けてお手紙を拝読。

「先日頂いた白い帯が大活躍しました。元日はピンクの色無地に、二日は青い小紋に、三日は赤い小紋にと娘が大喜びで結びました、、(中略)、、ピンクの色無地は私が結婚式の際に着たもの、赤い小紋は母が持たせてくれたもの、一度も着ることなく保管していたものでした」

 もう嬉しくって嬉しくって何度も読み返しました。隣で待ち侘びていた若女将も目を通すと「まるでドラマの回想シーンのようにお客様がペンを走らせていらっしゃる姿が目に浮かんでしまって(涙)」と僕から伝えずに読ませませて正解。洋服にはない、きものにしかない物語がたくさんつまったお手紙でした。
 しかもこの白い帯は、昨年8月に勇気を振り絞って緊急事態宣言下の京都に足を運んだ際に見つけた秘蔵っ子中の秘蔵っ子でしたので、楽しんでお召しになっていらっしゃるお客様のもとへ嫁いで幸せだなぁと想いを馳せていたところへ、まさかのお嬢様のためのお買い上げで、しかも「私(お母様)の予想を超えて喜んでくれました」には諸手を挙げて喜びつつ熱くなった目頭を抑えるのを忘れてしまうのも仕方ありません。
 さて。肝心のお手入れは、きもの4点を丸洗いシミ抜きなごや帯はお嬢様の白い帯をプレスのみでほかの4点はシミもシワも目立たなかったので何もせずに。という提案をお客様にもご了承頂きました。今日はほかにも成人式でお召しになった振袖+長襦袢+袋帯の3点セットに、色留袖+長襦袢+袋帯の3点セットをお手入れに預かりました。
 こんな時だからこそ、それぞれご家族で大切な時間を過ごされたんですね。きものをお召しになって(涙)

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