10年近く前にお買い求め頂いた黒留袖。
思えば最初の御縁は、お客様のご紹介でお買い上げ頂いたお嬢様の振袖でした。商談が成立すると、お母様の隣に座っていた19歳の彼女が、それまでの笑顔からキリッと口元を結び姿勢を整えて「おかあさん、ありがとうございます」と頭を下げた景色を今も色濃く覚えています。それから黒紋付や色無地、袋帯、訪問着、お仕事柄お召しになる袴など少しずつ揃えて頂きました。そうして先月、目出度く御結納を。きものをお召頂けなかったのが残念でしたが、「近く黒留袖に袖を通す時に必要なものを買いに行きます!」と本日。お二人のことをずーと見守られていたお母様のご友人とともに。
長襦袢、帯〆、帯揚、草履、着付小物と揃えていくうちに「やっぱりこの際だから帯も合わせてもらおうかしら、」と京の老舗・大文字屋庄兵衛さんの織り上がりたてほやほやの松を。でへっ、
長らく待ちわびた春はもうすぐそこ。