まるにism

item105

悉皆業界のプリンス、、、

もうそんなに若くもないか。いや、そういうことにしときましょうか。あくまで自称なもので、

これまでもいろんなお客様のきものに関する相談にお応えして参りましたが、頑固なシミやカビなど、どこの悉皆屋さんにお願いしても断られたきものたちに、悉く命を吹き込む1人のダンディーに出逢ってしまいました。そのお方こそ、日名川茂[ひなかわ=しげる]大先生です。

敏腕につき少々割高ですが、それはもう大満足の技術料です。きもののみならず、大切な洋服や美術品などでお困りの際には一度ご相談ください。ただし、お顔のシミは落とせませんとのこと。。。

item76

おばあちゃんのコート


名古屋帯に仕立て直しました。

きものや羽織などを譲り受けたり古着を求めても、お召しになる本人の理想の法でなければ意味がありません。そんな中、今回のご相談は「おばあちゃんから譲り受けたコートをご自分の寸法に仕立て直して着たい」だったのですが、残念ながらご本人は背が高く、手も長い。反物の巾も長さも全く太刀打ちできない状況でした。

そこで考えた出したのが、継ぎはぎの名古屋帯。さいわい2の巾で繰り返しの色柄でしたので、特に苦労することなく帯を結んで見えるお腹(前)とお太鼓(背中)の部分だけに縫い目が来ないように断ち合わせをしました。もともとコート向けの生地で縮緬(ちりめん)でしたので、お召しになってもふにゃふにゃ(シワ)にならないように仕立てる際には裏布を当ててもらいました。この裏布と中に入れる帯芯の厚さが肝心要。

さて、こうして仕立て上がった名古屋帯。一刻も早くお召しになった姿を拝見したいものです。きっと譲ってくださったおばあちゃんも大喜びのハズ。一番大喜びなのは、キリンのように首を長くしてお待ちになっていたご本人か。

item68

お母さんの振袖


左中の写真は、昨年の夏頃に50代の女性の方からお預かりした振袖の袖口あたり。今年の春に成人を迎えられるお嬢様に、ご自分がン十年前にお召しになったきものを着せたいとのこと。残念ながらタンスの肥やしとなりっぱなしで全体的にシミやカビが黄色→茶色く変色した頑固一点張りのモノが点々と。案の定、普段お願いしている悉皆屋さんに依頼すると、2軒とも「これは無理です」と、、、。「そりゃあ、仕方ないよね」ってのが弊社、そして耳にされたお客様の反応。

通常シミ抜きを施すと、もともと染まっていた色が抜けることが多く、その上から微妙な色を足す染色補正という高度な技術を要します。ここでもう一度写真をご覧ください。シミのある部分には、絞りが施されています。ただでさえ諦めざるを得ないシミの周辺には柄が細かい上に絞り。しかし諦めかけていたその時、少し前にワークショップでお世話になった日名川先生のことを思い出しました。発送した明くる日、到着したきものをご覧になって電話が。「見ましたー。これヤバイなぁ。全部きれいになったらスラムダンクやでぇ。」???日名川先生はバスケフリークなのです。そして数日後、送られて来た荷物を開けてビックリ。つい口走る、、、「スラムダンクやでぇ」

シミ抜き代は全部で33,600円(税込価格)。フツーのシミ抜きからするとずいぶん高価。だけど後日、「おかげさまで無事に成人式を終えました」というお母さんそっくりな可愛いお嬢様の振袖姿が写メールで送られて来ました。深い深いご家族の愛情とお嬢さんの「ありがとう」がにじみ出ていた素敵な写真でした。

アァ、、、カミサマホトケサマヒナカワサマ〜。

| 1 |
 
©池田屋