十三七三詣り。

 長女から6年、次女から5年の時を経て出逢った三人娘。三女が数えで3歳になるのを待って、長女が満13歳、二女が満7歳。
 「髪置き」と言って初めてお団子が結べるくらい成長したことを祝う三女は、生まれてはじめて誂えた菊色の一ツ身に二女譲りの羽織と長女の時からの帯と畳表の雪駄。一般的にはちゃんちゃんこみたいな被布をお召しになるのですが、長女の時に羽織を着せたので何となくその路線を踏襲して。
 「帯解き」と言って初めて帯が結べるほど成長したことを祝う二女は、長女のおさがりの四ツ身と帯を。もっと背が高くてぎっしりと肉の詰まった体格だった長女と比べると、牛乳と卵アレルギーのせいかずいぶん華奢な印象の二女ですが、このきものがよく似合うお姉ちゃんに育ってくれました。三姉妹の中では一番のしっかり者で頼りにしています。
 「十三詣り」と言って初めて本裁ちつまり大人の寸法に仕立てたきものが着れるほど成長したことを祝う長女は、僕が世界で一番尊敬する祖母(長女からすると曾おばあちゃん)が若い頃に着ていたという古い古いきもの。虫食いや解れはもちろん、ちょっと力むと生地が裂けてしまうことも。大切に保管しようとも思ったのですが、誰よりも祖母の温もりを知っていて思い入れのある僕が好きに使った方が喜んでくれると思いまして。「お正月もこのきものが着たい」とはお父さん孝行な長女。「十三詣り」は別名を「知恵詣り」とか「知恵もらい」とか言い、秋ではなく中学校に入学する春に知恵と福徳を司る虚空蔵菩薩にお詣りをするのが一般的。とは言え主に関西地方で行われ、九州では馴染みの薄いお詣りです。昔は13歳といえば大人の仲間入りをする年齢で、本裁ちのきものを着せて帯を結ぶことで自然に立ち居振る舞いを身につけさせたとも言われています。週明け26日(月)から期末テストが始まるので、良い知恵を授かったと信じるしかありません。
 さて、子育てに家事に商いに大大大奮闘中で近年は滅多にきものを着ることが少なくなってしまった若女将は、久しぶりの小紋となごや帯。苦労ばかりさせてしまったせいか、子供たちに負けず劣らず立派に成長してくれました(笑)。僕は無地の紬に紋付羽織。初めての袋帯で着慣れない上にお腹が空いてご機嫌斜めになってしまった二女は、(こんなところで授かった知恵をつかってもらっては困るのですが)珍しく長女が慰め役。相変わらずお転婆な三女にはみんなお手上げ。
 お客様のことばかりを気にして月末になってしまいましたが、氏神様の唐津神社に健やかなる成長を奉告することができて幸せな一日と相成りました。子育て奮闘記はつづく、

大きくなりました、子供たちも若女将も。
きく色のきものに羽織でちゅ。
さっそく脱ぎ捨てるの巻。
そして堂々と白足袋で歩き出す。

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